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◇石川市消防本部◇(沖縄)

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沖縄本島を人の体にたとえるならば、ウエスト部分の右側が石川市。太平洋と東シナ海を結ぶ距離はわずか四?q。目の前の太平洋(金武湾)を囲む半円状の市域の北側には、「全国・森林浴の森」百選に選定された石川岳がある。琉球松や多くの植物が繁茂する森は、「市民の森」として整備され、展望台からは、太平洋と東シナ海が一望できる。かつて米軍の保養地として利用された石川ビーチ(現・石川公園)など、美しい自然に恵まれた石川市は、緑の風が海辺をわたり、潮騒がやさしく語りかける魅力に漏れた街である。
消防の歴史は、昭和二二年の石川市警防団設置に始まり、昭和四五年に消防本部・消防署・消防団が設置された。現在の体制は、一本部・一署三四人の職員と四〇人の消防団員で構成されている。消一防団には、昨年、婦人消防団員五人が入団し、今後の活躍が期待されている。
♪二一世記の消防・防災体制をめぎして
旧石川保健所を利用した消防庁舎に代わり、平成八年四月から最新の消防緊急通信指令施設(指令装置・気象情報収集装置)を導入した新庁舎で業務を開始している。
広々とした庁舎には、。トレーニングルームなども整備されており、職員も気持ちを新たに、二一世紀に向かって、さらに頼れる消防をめざし職務に励んでいる。(写真)
♪自衛消防祖業との連携!
管内に、二つの火力発電所・油糟所等九三の危険物施設を抱える当本部は、災害防止に向けて、各事業所の自衛消防組織と連携して総合訓練を定期的に実施し、防災意識の高揚と事故の未然防止に努めている。
♪市民とともに
小さい時から防火に対する意識を高めることを目的に幼年消防クラブの活動があり、さらに「防火ポスター」の募集を市内三小学校の児童を対象に実施しており、一七回を数え、秋の火災予防運動の恒例行事となっている。入賞作品は、市役所ロビーに展示され市民に火災予防を呼びかける。
また、「救急の日」のPRとして、駅伝大会を開催しており、こちらは、一二回を数えている。市内の職場、学校等の単位で編成された参加チームは、七五チーム五七二人にのぼり、年々盛況となっている。
♪救急教命士誕生!
昨年一一月、石川消防初の救急救命士が誕生した。「今後も市民のために救急業務の高度化をめざしていきたい。」と福地消防長は語る。平成九年度も一名研修所へ派遣予定である。
♪高齢化対策と人材育成
現在、職員の平均年齢は三七・五歳、市長事務部局との人事交流も図りながら人員増を含めた高齢化対策を進めている。また、研修等へ積極的に職員を派遣し、資質の向上に努めている。「少人数だから、職員同士がっちりかみ合わなければならないのです。そのためには大海に出て学び、外から眺めることも大切なんです。」と消防長。他には負けないという強い意志が感じられた。
♪好きな言葉は「峠」
福地消防長は、「走ることが趣味」というほどの長距離ランナー。
地元の走友会・ありんこクラブの会長でもある。その消防長が好き空言葉が「峠」だそうだ。走るときもウェアに「峠」と書き入れる。それは、「頂上を極めるまで頑張ろう!」、「途中であきらめるな!」という自分自身へのエールであり、いっしょに仕事をしている職員へのエールでもある。元気な消防長を先頭ランナーに石川消防は着実に前進している。
(佐藤俊夫)

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